高麗人参は血圧にも効果あり?

 これまで高麗人参には血圧をあげる効果があるとされていましたので高血圧の人が摂取すると危険だと思われてきましたが、実際には高血圧の方に対してもその血圧を正常にする効果があることが確認されています。
 ここでは血圧に高麗人参がどのように作用するのかを考えてみます。

 血圧に対しては高麗人参の主要な有効成分であるサポニンの一種、ジンセノサイドが中心的な役割をしています。
 このジンセノサイドに属するサポニンとして49種類が確認されています。

 これらのジンセノサイドは大きくジオール系とトリオール系の2種類に分けることができます。
 ジオール系には主に中枢神経の鎮静作用があり、トリオール系には中枢神経の興奮作用があります。
 このように一つの食材の中に鎮静作用と興奮作用というような、相反する作用の成分が含まれていることが高麗人参の最大の特徴なのです。

 高血圧はなんらかの原因で血管が細くなるなどして血管の内圧が上昇してしまう状態です。
 血管を細くしてしまう要因としては、神経が高ぶっている状態、つまり興奮状態のときに血管が収縮して内圧が上がりやすくなっていることが考えられます。
 このような時にはジオール系の鎮静作用が効果を発揮します。

 一方で血圧が低い状態にある場合にはトリオール系が持つ興奮作用が低血圧状態の改善に効果を発揮します。
 一般的にはジオール系とトリオール系の成分が混在している状態ではどちらかの成分を都合よく抽出することは難しいのです。

 そして高麗人参の部位によって、それぞれの成分が含まれている比率が異なり、含まれている量の多い方の性質が出やすいのです。
 高麗人参の根っこの部分のジオール系とトリオール系の含有比率はおよそ60:40で若干ジオール系の比率が高いため鎮静作用が優位となっています。

 高麗人参の中でも最高級品とされる6年根を使った紅参からさらに手間を加えることで実現できたプレミアムジンセノサイドはその含有比率が50:50になっています。
 このプレミアムジンセノサイドを用いることで高血圧の方でも免疫力を下げることなく血圧を下げる効果が期待できます。

 高麗人参に含まれるジンセノサイドには鎮静作用と興奮作用を起こす2種類のものがあること、そして高麗人参の種類や使用部位によってその含有比率がちがうことに注意しましょう。

 興奮作用を期待する人には実や葉を多く用いたものが有効ですし、鎮静効果を期待する人には通常の根っこ部分を用いたジンセノサイドを、そして両方の効果を期待される方はプレミアムジンセノサイドを含んだものを摂取するようにしましょう。

 血圧は他の疾患の結果として異常な状態になる場合があります。
 必要な効果を得るためにはご自分の症状を正しく理解したうえで適切なジンセノサイドを含む高麗人参を選定することが大切です。

 ご自身で判断できない場合には専門家に相談して正しい商品を選定するようにしましょう。