高麗人参と子宮筋腫の関係

漢方薬の王様と呼ばれる高麗人参には多くの栄養成分が含まれています。

その主な効果は活性酸素を減らして細胞の老化を防ぐ抗酸化作用や、血液をサラサラにすることで肌の代謝をあげる効果などがあります。 この血液サラサラ効果が肌の代謝を上げられる理由は十分な栄養素を血液が体中にくまなく運んでくれるからなのです。

近年、若い女性にも増加している子宮筋腫は漢方医学では血病に分類され、古血が体内にたまって血が汚れていることが原因だと言われています。 そうであるなら高麗人参は子宮筋腫にも効果があるのでしょうか?

子宮筋腫は子宮を形成する筋肉から生まれる良性の腫瘍のことです。

もともと性成熟期の子宮の大きさは鶏くらいの大きさで、平滑筋と呼ばれる筋肉でできています。 その内部の子宮腔で胎児が発育し、この筋肉が収縮して胎児を押し出すのがお産なのです。

この筋肉から生まれる腫瘍は女性ホルモンの分泌量が多いと大きくなります。 そして女性ホルモンの減少によって閉経すると多くの子宮筋腫は小さくなります。

通常、筋腫は良性ですが大きくなると骨盤内の臓器や膀胱を圧迫して、下腹部の重苦しさ、腰や下肢の痛みやしびれと言った症状を引き起こします。 また、筋腫が肉腫となると悪性の腫瘍になりますが、通常の筋腫と肉腫を区別するためには詳細な組織の観察が必要となります。

高麗人参がこの子宮筋腫にどのような影響を及ぼすのかを考えてみます。

高麗人参の特徴である有効成分のひとつにジンセノサイドがあります。 これは女性ホルモンと似た働きをするため、高麗人参を摂取すると女性ホルモンが増える効果があります。

一方、女性ホルモンの減少によって子宮筋腫が小さくなることを考えると筋腫を大きくしてしまうのではないかと思われます。 しかし、近年の研究ではホルモンがその効果を発揮するのはレセプターと呼ばれる器官と結合した場合であることが確認されています。

ジンセノサイドは女性ホルモンのレセプターとは結合しないためその悪影響は考えなくても良くなったのです。

子宮筋腫が発生する原因は特定されていないため、その予防は難しいものとなっています。 その原因としては、遺伝的要素や古血の滞留が考えられています。

古血は女性の体内において何らかの原因で古い血液が滞留してしまっている状態が発生し、それが筋腫を発生させると考えられています。 なんらかの原因で血小板の粘度が高くなって血管壁にこびりついてしまい、血液中のコレステロールや繊維質が血管内で詰まりやすくなることで滞留が発生するのです。

こんなとき、高麗人参に含まれるジンセノサイドは血液中の脂質を減らし、ドロドロで詰まりやすくなった血液をサラサラにする効果があります。 この血流改善効果によって筋腫ができにくい体質にすることが期待できます。

また、子宮筋腫ができたことによる貧血症状の緩和には同様に高麗人参の血液サラサラ効果は期待できます。

高麗人参の使用は子宮筋腫の治療を目的とするのではなく、身体全体の免疫力を上げて自然治癒力を向上する目的で摂取するようにしましょう。 その際にも高麗人参にすべてを頼るのではなく、ご自身の生活習慣も見直して健康的な生活を心がけることも大切です。